UENOプロダクトレポート
Vol.14 定例技術研修会
技術への追求と挑戦がモノづくりの文化を作る
上野製作所では、本部スタッフと工場の技術スタッフ共同で毎月技術研修会を行っています。これは、現場の技術向上に役立てるための取り組みでありますが、継続し続けていることで、現在では技術部門の改善だけにとどまらない、全社的に欠かせない活動となっています。具体的な活動として、一つの例を挙げると、ステンレス板面と板面の溶接の方法について、いくつかのグループに分かれてそれぞれが独自の視点から既存の溶接手順や手法から改善できる点を考え出して、実際に加工してみて、既存の工程との比較をしていきます。全ての面を溶接する全溶接といわれる手法を見直し、折り曲げてから要所に当たる何点かをスポットで溶接する手法に変えることによって、劇的に作業時間の短縮が可能になります。このような内容を全てまとめて発表会をして検証結果について共有していきます。
これらの活動は、各グループごとのレポートという形でまとめられています。2005年以前から現在まで続いていますので、膨大ともいえる量のレポートがあることになります。これらの中には製作加工においてすぐに役に立てられるものと、そうでないものがありますが、そのレポートの束は紛れもない会社の財産といえます。決まりきったいつものやり方に疑問を持つことなく、いつもの作業を行うだけでは大きな技術、品質の向上は見込めません。定期的に研修会をすることで、常に今の作業の中に改善点を探すという気持ちが生まれるのです。今では、長年積み重ねてきた技術を受け継ぎ、守ることと並行して、新しい技術への挑戦を意識することが出来てきています。加工機器の目覚ましい進歩と同じように、技術者も進歩していくことで、生み出される製品の質がさらに高まります。
そして、この研修会には多くの副産物がご褒美のように生じてきます。改善が積み重なることで、理にかなった工程、動作に配慮するようになるため、作業中の安全面にも良い影響がでますし、品質を向上させる上での合理的な工数削減は従業員の労働環境の改善へとつながります。これらの変化は当然、製造コストへ反映される結果となり、最終的にはお客様へ質の高い製品をリーズナブルに提供するということが可能になるところまでつながっています。会社の文化となったこの活動は、技術について追及し、学びあうことでモノづくりに対する姿勢が統一され、同じ指針のもとで働いている仲間としての連帯感の高まりなど、多くの好影響をもたらせています。上野製作所としてのモノづくりの土台は、この定期的な活動によって支えられているといって良いかもしれません。
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