上野製作所

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UENOプロダクトレポート

Vol.21 新体制の八千代工場

八千代工場が新体制で稼働

 上野製作所は本社を江戸川区に置いていますが、ステンレス加工は千葉県の八千代工場で行っています。創設以来、町工場の技術を継承しつつも新たなチャンレジを続けてきています。総面積1,500坪の工場では15名の技能者、技術者が日々ステンレス製品の製造加工を行っており、業務用厨房機器を中心に、大きなものから精密なものまでの加工が可能な体制になっています。長年、工場長として現場を率いてきた高橋工場長が退任された後、昨年から新たに工場の顔として工場長の任を担うのは、宇井新工場長です。着任以来、ベテランからまだ経験の浅い社員までを束ねて新しい工場運営に取り組んでいます。一昨年に新しい加工機器を導入したことや、工場内の区分けや動線の整理を行うことによって、これまで以上に効率と精度の高い加工を目指しています。

 労働環境の整備は、働き方改革が政府の方針としても発表されたこともあり、社会全体の注目も高く、工場での作業についてもそれに対応した変化が起きています。「無駄を省く」という言葉には時に冷たいイメージも付いてきますが、こと作業効率向上においては最も需要なポイントの一つだと思います。作業時間を明確に定めたり、年間の稼働率を考慮して、パーツの製造やストックをスケジュール化したりすることで、本来なら不要な残業が行われてしまうといったロスを防げます。これは、残業にかかるコストを削減するということだけにとどまらず、従業員の体力やモチベーションアップにも必ず影響してきます。また、前任の工場長からの技術研修会も引き継ぎ、各自の加工技術を全員で共有できる体制をさらに強化しています。ひと昔前の工場や職人の世界のイメージでは、とにかく見て覚えるといった体験主義ともいえる技術継承がほとんどだったように思いますが、今では多くの技術を身につけるチャンスが全員に与えられています。

 工場へは日々、新しい案件が持ち込まれますが、ステンレス加工のプロとして、いかに製品に技術を反映させるかを考えて対応するようにしています。すでに完成品があり、同じものを作ってほしいというオーダーでも、素材や構造などに独自のアイデアを加えることで使い勝手が変わったり、強度が高まったりする点があれば積極的な提案をすることもあります。それによって、お客様からの信頼度が高まり、長いお付き合いができる可能性が広がります。デザインで変化を見せる多くの一般製品と違って、ステンレス加工品は見た目が大きく変わらないために、実際に使ってみないと製品の良し悪しが分かりにくいジャンルといえます。それだけに安易な製品を生み出すと会社の技術への信頼度が落ち、一気に悪い評価を受けるリスクを背負っています。これからも八千代工場では、町工場の技術力を継承しつつ、お客様からの強い信頼を得るための技術向上と環境整備を、全員が常に意識していきたいと思っています。

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