上野製作所

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UENOプロダクトレポート

Vol.01 モップシンク

切る、つなぐ、磨く・・・
ステンレス加工の基本すべてが小さなシンク一つ一つに集約されています!

 モップシンクとは飲食店において、食材や調理器具を洗浄するシンクと区別して清掃用具などを洗うために作られ設置されているものです。通常のシンクや調理器具類の高さ800mm前後が多いのに対して、モップシンクは600mm前後で設定されることが多いです。これはそもそもの専用用途であるモップを洗うのに負担がないことなどが理由となっています。

 上野製作所では既製品に多いプレス加工ではなく、シンクも職人の手で一つ一つ丁寧に組み立てられています。シンクの製作工程において最も高い技術が必要なものの代表が溶接です。設計図面に合わせてカットされたステンレス板金を立体的に折り曲げた後、TIG溶接といわれる手法でつなぎ合わせます。比較的薄いステンレスに用いられる方法ですが一度に均等に溶接するには熟練の技術が必要になります。溶接の作業レベルが低いとシンクとしては致命的な水漏れの原因を作りますし、耐用年数にも影響を及ぼします。

 一見きれいに溶接されているようでも目には見えないほどの隙間が生じている可能性もありますので、それを防ぐために溶接後に必ずミクロチェックという検査工程を踏まえています。これは表側と裏側にそれぞれ赤色、白色の溶剤を用いることで、染み出した部分がピンク色になり、溶接の不備部分を発見するというものです。正確に組み立てられ溶接されたものには起こりにくいことですが常に慎重にチェックしています。シンク内部の曲線ラインは、もちろん設計図面から想定されていますが、フチ部分を挟んで外側は直角、内部は曲線といったシンク独特の形状はステンレス加工技術の積み重ねによって生み出されるものです。

 今回のモップシンクはアメリカ発のコーヒーチェーン「S」さまで使用されているもので、全てオリジナルの寸法のものを多くの店舗へ納品、ご利用いただいています。厨房機器の中でももっとも基本的なシンクには、切断する、穴を開ける、折り曲げる、つなぐ、磨くといった上野製作所のステンレス加工技術の全てが集約されているといっても過言ではありません。

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