UENOプロダクトレポート
Vol.03 強化磁器食器用運搬車
学校給食用に配慮された設計で安全に食を届けます!
1999年に登場したこの三段式給食用運搬車はそれまでの運搬車から大きな改善を施しています。それ以前の運搬車はL型運搬車と呼ばれる、いわゆる台車から始まり、その後、二段式となりました。そこからさらに三段式にすることで、台車に乗り切らないものがあったり、メニューの組み合わせに運搬を考慮する必要があるなど、それまでの多くの課題がクリアされることになりました。段が増えるということは一度に運べる量が増えて便利になる反面、重くなるという欠点を抱えることにもつながります。衛生の観点からステンレスを素材として用いる以上、どうしても重くなることは避けられません。
しかし、強度と機能を犠牲にせずに、ぎりぎりの厚さを試行錯誤した結果、スムースな移動が可能となる軽量化に成功しました。
最上段はスイング棚の設計になっていて、載せるものによって開閉することでスペースの調整が出来ます。上部が開くことで、背の高い寸胴が安定した状態で運搬可能になったり、配膳に使用する際にも便利です。この最上段のスイング棚については、上に持ち上げるように開くのですが、小学生でも無理なく持ち上げられるように長いリング上の接地スイングを用いています。そのため、持ち手のどの部分を持っても必要以上の重さを感じることなく開閉することが出来ます。
この運搬車の特徴の1つが最上段の棚の側面に開けられた3つの穴です。これは裏面を清掃する際に、洗浄液やすすぎ水が溜まらないように開けられているものですが、円形の穴の上部を直線に折れるようにカーブを持たせることで作業の効率性と機能を両立させています。目立たないところではありますが積み重ねてきた技術が活きる加工です。無骨ともいえるほどシンプルに見える運搬車ですが、見えないところに細やかな工夫が施されていたり、小・中学生が使うことを念頭に置いたスムースな動作が可能になる機能を備えています。1999年に製作されてからほとんど設計を変えることなく作り続けられており、スタンダードな製品といってよい作品に育っています。また、同様の技術を搭載しつつ、それぞれの地域の給食や収納する食器、かご、食缶などの配列に合わせてサイズをカスタマイズするオリジナル運搬車の製作も多数ご依頼いただいています。
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