Vol.10 フルーツパーラーシシドさま厨房設備

老舗果物店の新業態をプロの視点でサポート！

　下高井戸商店街にある、世田谷での開業から約100年の歴史ある老舗青果店「丸シ　宍戸鉄男商店」が新たに開発した新業態が「フルーツパーラーシシド」さまです。「女性に喜ばれるフルーツの店」をコンセプトに、新鮮かつ上質なフルーツの素材を活かした、果物専門店が作るフルーツサンド、季節のフルーツパフェやフレッシュジュースは、ここでしか味わえない逸品ぞろいです。ファッション雑誌での紹介をはじめ、開店から間もないにもかかわらず、地元地域のみならず、広いエリア、多くの年齢層のお客様に人気の新店舗として認知度が高まっています。ハイセンスなロゴマークや、モダンにデザインされた外観・内観と、店内に飾られた創業時の看板や歴史を物語るモノクロ写真などが不思議とマッチする、古さと新しさが同居する空間は心から寛ぐことができます。

　フルーツパーラーシシドさまとは、上野製作所のお客様である、老舗洋食店のオーナー様からのご紹介がきっかけとなり、新業態の立ち上げに関する厨房設計及びサポートを担当させていただくことになりました。以前は青果店としての営業が主と伺ってましたが、長年の青果・果物業で培われたノウハウを、さらに広くお客様に楽しんでいただけるように、新業態はカフェとフルーツのお店となります。リニューアルオープンされるにあたり、シシドさまでは初めてとなる、本格的な厨房設備を作り上げるための打ち合わせを、実に半年以上に亘り、何度も重ねることになりました。取り扱うメニューや食材、さらに客席数やスタッフの人員配置など、多角的な構成要素を積み上げた上で最善と思われるレイアウトおよび機材をご提案させていただきました。

　日頃から限られたスペースを最も有効に活用できることを念頭に、コンパクトかつ機能的なキッチンレイアウトになるように心がけていますが、今回は、メニュー構成上、ほとんど火を用いない厨房であることから、全体的な設計に自由度を持たせられることになり、いつも以上にスタッフの動線を中心に据えたレイアウトの提案が可能になりました。オーナー様にも、こちらからの提案を快く承認いただきまして、充実した心持ちで、無事に開店までお手伝いさせていただくことができました。
「果物というのは食べ物の中でも特別なもの」と語ってくださったオーナー様には、さらなる新展開も視野に入っておられるようで、現店舗のメンテナンス業務はもちろんのこと、引き続き、今後のご発展につきましてもプロの立場でサポートさせていただきたいと思っています。