上野製作所

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UENOプロダクトレポート

Vol.13 学校給食用配膳台(2)

安全に配慮された細部への気配り

 厨房機器の専門メーカーとして、数多くのオリジナル製品を作り出してきていますが、それぞれに一見しただけではわかりにくいノウハウや独自の工夫が詰め込まれています。今回の学校給食用配膳台についても、単にキャスターの付いた作業台のようなシンプルな構造のように見えて、まさに『オリジナル製品』といえるだけの実に様々な配慮が施された製品となっています。同じく食品に関する製品ではありますが、学校給食用配膳台はいくつかの点で業務用厨房機器と異なります。異なる点の中で最も大きなものは、利用するのが小学生や中学生であるという点です。業務用厨房の場合はプロの料理人が使うことを想定して作りますが、教育の一環としての給食として日常的に使うことを想定した工夫がたくさん込められて成り立っている製品と言うことができます。

 その一つが当然ながら高い安全性です。小学校低学年のように何が危険で何が安全かの判断もおぼろげな児童が使用することを前提にすると、一般の業務用厨房製品以上の安全性が求められるため、全体的に一般厨房機器以上に細やかな配慮が施された設計と加工となっています。具体的には溶接部分のなめらかな仕上げ加工や、通常よりも深い巻き込み接続の形状など、利用者が手を触れる可能性のある範囲すべてにおいて一切の危険性を排除した作りになっています。また、同様の理由で各コーナーの角も鋭角なものを避けて、より接触時の危険を回避できるように設計されています。素材本体はスチールにメッキを施したもの、上部台板は木製メラミン樹脂加工のものが主流ではありましたが近年ではより衛生的で丈夫なステンレス化への移行が顕著な傾向になっています。

 そして、小中学生が使用するということで忘れてならないのは操作性で、体形にあったサイズや軽量化の工夫が多く施されています。毎日、重い食材や食器を載せての移動に耐えられる点、盛り付け・給仕がスムースであることが重要です。軽くするだけなら容易ですが、安全性と耐久性を考慮して、両方を兼ね備えたベストな材質、厚み、寸法などの設計に独自のノウハウが用いられており、耐久性とともに、使い勝手についても高い評価をいただいています。 シンプルな構造のように見えて、実は多くのノウハウによって作られている学校給食用配膳台。これからも新しい給食のスタイルや児童・生徒の体形の変化、使い勝手の向上など、留まることなく改善を続け、安心・安全な日本の学校給食を支えていきたいと思っています。

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