Vol.19 大規模社員食堂

大勢の社員の食を支える厨房

　業務用厨房の依頼の中には個人の飲食店のケースもありますし、学校や病院のような施設内の給食施設をサポートさせていただくこともあります。今回は長くお付き合いが続いている銀行系列の大型社員食堂の機器入れ替え工事の模様をお伝えします。決まった休憩時間内に大勢の方がほぼ一斉に食事を求めるという、一般の食堂とは少し異なる性質を持つのが社員食堂です。学校や病院のような給食施設も大量に調理する点は似ていますが、社員食堂の場合はメニューが多いことや、その都度、オーダーに対応するサービスが必要な点が異なります。そこで社員食堂には大規模のレストランのような設備が必要になることが多いです。一つの料理を大量に作るのではなく、複数の料理を同時に作り上げられる厨房が求められます。

　多くの機器がトラブルなく稼働するために上野製作所では定期的なメンテナンス訪問を行っています。現場で働くプロの料理人の方が見逃してしまうような兆候を訪問時にチェックすることで未然に故障を予防できます。食の安全性については社会的にも問題になることが多いため、近年では衛生管理がしっかり行われている施設や飲食店が増えていることは喜ばしいことです。日々の清掃でも機器の故障は防げますので、気になる箇所については積極的にお伝えして施設側でも注意していただくようにお知らせしています。また定期訪問することで、経年劣化している調理機器や設備に気づくことができます。今回入れ替えになった、 食後の食器をトレーごと下げられる大型のベルトコンベヤー式の下膳台も経年劣化に伴う交換です。社員食堂では欠かすことのできない設備の一つで、食事を終えた社員の方が下膳する際に所定のコンベヤーに載せるだけで洗浄ラインに送られる設備です。

　一つの機器を入れ替えるだけでも多くのチェックポイントがあり、機器の設置だけでなく、水道、電気等の接続や配管をはじめ、位置の調整や付属パーツの設置まで行う必要があります。設置の過程で動作確認を複数回行い、調整を重ねながら、設置が終えた段階で最終的な動作チェックを行います。実際に使われるような環境で動作を確認し、スムースに稼働することを見届けて設置が完了します。多数の方が使う機器の場合は、予期しないトラブルが起きることも少なくありませんが、機器の構造をしっかり把握しているため、修理も的確に行えます。また、同様の故障事例もわかる限りお伝えして施設の方でも注意喚起していただくようにしています。多くの社員を抱える企業様にとって、美味しい食事を提供する社員食堂は福利厚生以上の大切な場所といえます。安心して利用できるように、メンテナンスにも十分気を配ってお付き合いさせていただいています。