Vol.20 江戸川区内の小学校給食施設

子供たちの食を守る給食施設

　上野製作所ではレストランのような一般外食用の厨房設備だけでなく、今回のレポートのような学校給食や、病院等の給食施設も得意分野です。厨房機器の他、学校給食用に特化されたオリジナルの配膳台を自社で開発しています。温かい作り立ての食事を楽しめるだけでなく、栄養バランスにも十分配慮された学校給食は、日本の誇る食文化の一つと言って良いかもしれません。地域にもよりますが、多くの小中学校に給食施設が設けられており、教室で過ごした時間とともに、給食での楽しい食事シーンやお気に入りのメニューを長く記憶として残している方も多いのではないでしょうか。そんな思い出作りになるだけでなく、美味しく、安全な食事を元気なお子様たちにお届けするためのお手伝いができるのは、本当に嬉しいことです。今回は地元江戸川区公立小学校の給食施設のリニューアルを担当させていただきました。

　今回の江戸川区の小学校ではおよそ600名の児童のみなさんが通われていますが、一度に600名の食事を作るためには充実した設備と作業スペースが必要です。素材の洗浄、下処理スペース、加熱等の調理スペース、食材や食器の保管スペースなど、エリアに分かれて効率よく配置されています。加熱機器も、大量の調理を可能にする大型の回転釜や、３段式の炊飯器などの大型調理機器が揃えられています。中でも出来立ての料理をすぐに運ぶための運搬車がずらりと並ぶ様子は実に壮観です。運搬車も当社オリジナル製品で、弱い力でも軽く取り扱えるような稼働部や、安全面に配慮してステンレスの接続部分を巻き込み型に仕上げるなど、小さなお子様でも安心して使えるような工夫が随所に施してあります。学校給食のプロである栄養士さんの指導の下、これらの設備を使ってたくさんのお子様に美味しい給食が日々届けられることになります。

　大型の機器や運搬車とともに目を引くのは、仕込みや洗浄エリアと調理エリアに並ぶ多数のシンク群です。衛生的なオールステンレス製なのは当然ですが学校給食ではドライシステムが用いられることがほとんどのため、今回のシンク類もすべてドライキッチン用を設営しています。食中毒の原因となる細菌は水分を好むため、給食施設は余分な水分を嫌います。シンクのフチ部分が折り返されていたり、水切り台のフチ部分に傾斜が設けられているなど、シンク内の水はねを最小限に留められるような仕組みになっています。自社開発されたドライシステム用のシンクは高い評価をいただき、多くの学校給食施設や、社員食堂、病院など、より高い衛生基準を設けている施設に用いられています。上野製作所では厨房設備のプロとして、学校給食の安心を守るための機器開発と設営を常に心がけています。